松村 二郎 (1917年 ~1988年)
1954年ホーマットホーム株式会社設立。設立の目的は、戦後荒廃した東京では住宅事情が非常に悪く特に外国人が住めるような家がほとんど無かった為設備の整った快適な住居を諸外国の人々の為に提供することであり、松村は近代的な設備と同時に伝統的な日本の魅力を建物に取り入れ、東洋と西洋を上手く融合させた家を建てるという明確なビジョンを持っていた。これらの住宅は外国人の間で非常に喜ばれ好評を博した。1963年には在日公館関係者や外資系企業役員向けに集合住宅の建築をスタートさせ、以後100棟を超える高級アパートを設計、名作ブランド「ホーマット」シリーズとして高い評価を受ける。
建築のコンセプトは、外国人が国際的な基準を備えた住宅で暮らせること、そして日本文化の伝統美を住む人たちが楽しみ、広く交流をはかることであった。そのために外部には鉄平石の塀、石畳、灯籠、池など、室内には障子や引き戸などの和のテイストを意匠に取り入れ、又緑の存在が今ほど重要視されなかった時代から自然環境との調和を考え、緑豊かな外構と屋外ライフを楽しめる屋上庭園を造った。それらの建物は長年のうちに歴史的建造物のように都心の住宅街の風景に馴染んでいる。ここで豊かな生活を楽しみ、“ホーマットに住んでいた”ことを誇りに思い、懐かしく思っている諸外国からの住人も多く、建築を通して日本文化の紹介と国際的な民間外交に尽力した。
建築分野以外では長期に亘り東京アメリカンクラブの副会長を努め、没後は永久名誉会長としてその名が残されている。また中国の研究者を招待し学費を援助したり、日米協会、日英協会、日本外国特派員協会のメンバーとして率先して国際交流に力を注いだ。
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